同一のファイルを明確な入力ルールを決めずに複数の人が編集していると、半角と全角の文字が混在してしまうことが良くあります。
特に、住所録のようなデータを登録している場合、住所の番地や電話番号などの数字でこのようなことが良く起こります。
データ量が少なければ、手作業で修正できなくもないですが、データ量が多いと手作業では時間がかかってしまいます。
そんな時は、LibreOffice Calcの関数を使ってサクッと変換しましょう。
目次
動作環境
この記事は、以下の環境で実行した結果を基にしています。他のエディションやバージョンでは、動作結果が異なる場合があることをご了承ください。
ソフトウェア | バージョン |
---|---|
Windows 10 Pro 64bit | 1809 |
LibreOffice | 6.2.1.2 |
全角/半角を変換する
Calcには、文字列を全角にしたり半角にするための関数が用意されているので、この関数を利用すれば、あっという間に文字列を全角、または半角に変換して統一することができます。
文字列を全角にする
文字列を全角にするには、JIS関数を利用します。
以下のようなサンプルの住所録データを例に、JIS関数で全角に変換してみます。
このデータは、混在データではありませんが、住所列(G列)の番地などの数字が半角なので、この列を全角に変換してみます。
関数を利用する場合、値が入っているセルを直接編集することはできないので、ここでは、住所列(G列)を全角に変換したデータをH列に表示させるようにします。
まずは、G2セルに入力されているデータをH2セルで全角に変換するので、H2セルに「=JIS(G2)」と入力しエンターキーを押します。
関数の書式のカッコ()内には、変換対象の文字列を指定します。ここでは、G2セルのデータを全角に変換するので、文字列として「G2セル」を指定しています。
これで、G2セルを全角に変換したデータがH2セルに表示されます。
あとは、H2セルをそのまま下方向にコピーすれば、G列を全角にしたデータがH列に表示されます。
文字列を半角にする
文字列を半角にする場合も、ASC関数を利用して上の全角の時と同じような手順で半角に統一することができます。
たとえば、郵便番号列(F列)を半角に変換してH列に表示させるには、H2セルに「=ASC(F2)」と入力しエンターキーを押します。
これでJIS関数とは逆に、全角文字列が半角文字列に変換できます。
数式が入力されたセルのコピーには注意
関数などの数式を入力しているセルの値(上の例では、表示されている文字列)をコピーするときには注意が必要です。
数式を入力しているセルでは、他のセルなどを参照しているため、そのまま別のセルなどにコピーして貼り付けると、数式がコピーされてしまい意図しない値が表示されます。
そのため、セルに表示されている値をコピーして貼り付けるときは、次のように操作します。
まず、上で郵便番号を半角に変換した数式が入っているH列の列見出しをクリックして、H列全体を選択してから「Ctrl+C」などでコピーします。
コピーしたデータの値をI列に貼り付ける場合は、I列の列見出しを右クリックして、表示されるメニューから「形式を選択して貼り付け」>「テキスト」を選択します。
これで、I列に値のみを貼り付けることができます。
画面上では分かりづらいですが、H列のセルには数式が入力されていますが、I列のセルには値のみが入力されています。
あとがき
上で紹介した以外にも、Calcにはアルファベットの大文字/小文字を変換する関数や、テキスト処理用の関数がたくさん搭載されています。
暇なときに眺めてみれば、便利な関数を発見できるかもしれませんよ。